年頭所感

新宮商工会議所

会頭 関 康之

  新年明けましておめでとうございます。
平成30年の新春をお迎えし、皆様方がなお一層ご活躍される年でありますことを願いますとともに、旧年中の格別なるご指導・ご協力に心から御礼を申し上げます。
 さて、昨年の我が国経済は、引き続き緩やかな回復基調が続いており、企業収益が高水準となるなど、雇用・所得環境が改善し、所得の増加や投資の拡大につながる「経済の好循環」が定着し始めた年でありました。しかしながら、人手不足の状況はバブル期並みとなっており、企業は人材の確保や省力化に向けた取り組みに迫られております。又、個人消費も所得・雇用環境の改善度合いに比べて力強さに欠けており、物価についてもデフレを脱却し、安定的な物価上昇が見込まれるところまで至っていないのが現状であります。
 当地域におきましても、人口減少や少子高齢化、長引く個人消費の低迷など取り巻く環境は非常に厳しく、木材産業や建設業をはじめ、商業・小売業など多くの業種において売上不振が続いており、後継者不足等も相俟って廃業も顕在化しているのが現状であります。
 また昨年10月に当市を襲った台風21号による豪雨は、多くの家屋の浸水はじめ、大きな被害をもたらしました。市内事業所におきましても多くの店舗が浸水し、建物や設備への被害によりやむなく休業を強いられる店舗が出るなど、地域経済に大きな影響を与えました。
 被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げます。
 このような中、人口減少克服と地方創生を実現するため、各自治体は「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、様々な取り組みを行なっております。当市におきましても、「産業振興による安定した雇用の確保」、「まちの魅力を発信し、新しい人の流れをつくる」等 4つの基本方針を掲げ、持続可能なまちづくりの実現への推進を図っているところです。
 また完成が遅れている丹鶴小学校跡地に建設予定の文化複合施設については、今年度末から来年度初めにかけて実施設計が明らかにされることになっており、今後、当市の経済に大きな影響を与えることが予想されるだけに、その内容を注視していきたいと考えております。
 こうした中、現在、策定中の新しい長期総合計画においては、5年・10年先を見通した将来のビジョン作りが重要であり、関係団体と緊密に連携しながら取り組んでいかなければなりません。
 当商工会議所と致しましても、流動人口を増やすことでの雇用拡大や新規創業の推進等を実現するためにも、商業の振興と中心市街地の活性化、木材関連産業の復活、世界遺産や豊かな自然を活用した観光業の推進、既存の事業所の経営支援などこれまで以上の取り組みが求められており、役員会・部会・委員会活動を通じ前向きな姿勢で目標達成にむけ邁進して参りたいと考えております。
 特に、昨年、国の認定を得た経営発達支援事業については、伴走型の経営支援を積極的に行うことで、商工業者の更なる発展に努めて参る所存でございます。
 次に、「会員のための、そして、会員と共に地域のためになる商工会議所を目指して」をスローガンにした行動計画に基づいた事業展開により、商工会議所の組織強化のための「組織づくり」、中小企業の活力向上のための「企業づくり」、中心市街地の活性化や地場産業の振興のための「地域づくり」に積極的に取り組んでいく所存でございます。皆様方のご協力を心からお願い申し上げます。
 商工会議所は、地域を代表する多様な会員からなり、様々な視点から高い提言力と柔軟な調整能力をもつ地域総合経済団体であります。地方創生の主役は、われわれ自身であり、行政と民間が結束して行動をおこせば必ずや活力が漲り、地域が元気になると確信を致しておりますので、今後、益々のご協力とご支援をお願いいたします。
 年頭にあたり所信の一端を述べさせて頂きましたが、皆様方のご繁栄をお祈り致しまして年頭の挨拶とさせて頂きます。


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